【伝票印刷の伝票通販どっとこむ】複写伝票で複写させたくない場合はどうする?(減感印刷)
複写伝票で複写させたくない部分がほしい場合があると思います。
そんなときのするのが『減感印刷』です。
今回は、この『減感印刷』を解説します。
ノーカーボン紙(感圧紙)は全面写る
複写伝票で多く使用されるノーカーボン紙(感圧紙)は紙面全体が複写の範囲となります。
つまり、2枚複写で2枚重ねた状態では1枚目の紙面どの部分に書いても2枚目に複写されます。
ノーカーボン紙が複写される原理は、上にくる用紙の裏面に塗布された発色剤と下にくる用紙の表面に塗布された顕色剤という二つの薬品が、筆圧によって化学反応を起こしたときに文字が浮き上がります。
つまり、この化学反応を起こさせなければ、複写の文字は浮き上がらないということです。
化学反応を抑える
では、この化学反応を抑えるためにはどうすればよいかです。
化学反応のもとになる発色剤や顕色剤を塗らなければ?
これは、無理です。
製紙メーカーで全面に塗布したノーカーボン紙を製造していますので、この部分だけ塗らないで、という訳にはいきません。
化学反応をさせない薬品を塗ればいいのでは?
そうなんです。
薬品と言えば薬品なのですが、減感インキというものがあります。
こちらを使用し化学反応を抑え、複写させないようにするのです。
減感印刷ってどういうこと?
この減感インキは、一般的なインキと同じようにオフセット印刷機で印刷することができます。
つまり、複写させたくない部分に、この減感インキでベタ印刷をしてやればいいのです。
この減感インキは透明に近い淡い白なので、白紙のノーカーボン紙だと減感印刷してある部分はほとんど見えず、色紙のノーカーボン紙でも紙色が透けますのでよく見ないとわかりません。また、絵柄の上に減感印刷をしても、絵柄の色が少し薄まるように見えるだけで、それほど気になる物でもありません。
原理をご説明します。
下図は3枚複写です。
中用紙に複写されたくない部分を作りたい場合は、中用紙に減感インキでベタ塗印刷をしてやります。
複写の原理としては、上用紙裏面の発色剤と中用紙の顕色剤の化学反応です。
ですので、中用紙に減感加工をしてやることにより、発色剤と顕色剤の化学反応を抑制するのです。
減感印刷はどのようなときに使う?
例えば3枚複写の伝票。
1枚目納品書控え、2枚目納品書お客様控え、3枚目受領書の複写伝票。
お客様名、納品日、品名、個数、金額を記入するとします。
1枚目に記入したものは、2枚目にはすべて複写させたいが、3枚目の受領書については特に金額は必要なく、むしろ受領のサインが欲しい場合、3枚目の金額の部分に減感印刷をしてやります。
また、2枚複写の作業報告書。
1枚目は会社控、2枚目はお客様控え。
作業内容の報告については、お客様と共有する必要がありますが、会社に持ち帰りたい内部的な連絡事項については2枚目の控えには複写されたくない場合は、2枚目に減感印刷をしてやります。
用途はいろいろあります。
実は減感印刷って難しいんです
少し内輪の話なのですが、減感印刷って実は難しいんです。
難しいというか、大変は手間と神経を使います。
一つ目は洗浄です。
印刷というのは印刷機のローラーにインキをのせ、そこを通った用紙に印刷します。
減感インキを使用する場合、印刷機のインキのついたローラーを入念に洗浄する必要があります。
先述した通り、減感インキは透明に近い淡い白なので、その前に使用したインキの色がローラーに残っていると、減感印刷した部分にその色が付いてしまいます。
また逆もあります。
減感印刷が終わった後に減感インキをきれいに洗浄しておかないと、次にノーカーボン紙に印刷をした時に、通常インキに減感インキが混じっている状態となって複写用紙に印刷されてしまうので、きれいに文字が浮き出ない、という現象が起きてしまいます。
ですので、減感印刷をする前とした後のインキローラーの洗浄は特に気を付けないといけません。
もう一つはベタ印刷の濃度です。
減感印刷をする時、しっかりベタ印刷ができてないと、化学反応をしてしまい、うっすらと文字が浮き出てしまうこともあります。
だからといって濃く刷ろうとすると、インキが決められた枠からはみ出て、複写させたいところにが複写できなくなってしまいます。
ですので、ベタの濃度は薄すぎても濃すぎてもだめなんです。
実は減感印刷は大変な手間と神経を使いますので、印刷会社によっては、減感印刷ができる印刷機を持っていても、やりたくないという理由で請けてくれない会社もあります。
弊社は多くの減感印刷の経験と実績がありますので、ご安心してご注文ください。
まとめ
減感印刷については、少し知識がないと難しいかもしれません。
お見積依頼をいただいた段階では、お客様も気づいていなかったり、気にしていなかったりすることもあります。
レイアウトデータをご入稿いただき、弊社で確認したら、ここは減感印刷しないといけないのでは、だったり、現物見本を拝見したら減感印刷がされているな、とその時点でわかることもあります。
なので、分からなくても全然心配せず、お気軽にご相談いただければと思います。